Social Living
Burning Spear
バーニング・スピアの6枚目の作品(MARCUS GAVEY'S GHOST・・・MARCUS GAVEYのダブ・アルバムを入れると7枚目)の作品。ジャケットについては何種類かある。手許にあるのはブラッド&ファイア・レコーズが1994年にリマスタリングして発売したものです。ブラッド&ファイア・レコーズについては今は存在していないはずですが、当時状況があまり思わしくなかったレゲエについて積極的に版権をもつレコード会社から販売権を獲得し作品を検討し作品そのものについては出来る限りオリジナルの状態をキープしつつリマスタリングをするという緻密な作業ののちジャケットについては様々なデザインを用いより理解をたかめようとするものすごい作業をやり遂げた会社でスティーブ・バロウ氏が監修していました。
さて作品なのですが、ゆったりとしたリズムのなかにバーニング・スピアの淡々としながらも説得力のある歌がそれに連なっていく感じの作品です。
レゲエのとてもクールな一面を最高に表現した作品でルーツ・ロック・レゲエの最高峰の一人としてすばらしい出来になっています。ただしどんな場合にも彼のヴォーカルはひたすらさめており、そのさめた歌い方がバックのひたすら洗練されたくーるで安定したリズムの中で光り輝いています。詩は当然のことながらラスタファリズムに関することが多いようで、その現人神とされるマーカス・ガーベイの言葉に基づいたものが多いです。明るいイメージで都会的な音という現代のレゲエとは違いむしろいささか暗い中に怒りと信仰を歌いこむかのような感じの作品になっています。とにかくマーカス・ガーベイに関してはこの作品の中では1,4,5,8で歌われており彼のラスタファリズム特にマーカス・ガーベイに対する思いの強さが思い切りでています。
音の空間を見事に生かしきった傑作作品と言えるのではないかと思います。肌触りはむしろブリティッシュ・レゲエのような感じ(たとえばマトンビやスティール・パルス)でひたすらひんやりとしています。参加しているミュージシャンはジャマイカの代表的な人達が参加しています。ギターにはアール・チナ・スミス他3名 ドラムスにはスライ・ダンパー、ホースマウス他1名 ベースにはロビー・シェイクスピアとアストン・バレット他1名キーボードにはH・リンドの名前も挙がっています。演奏はひたすら的確で非の打ち所がない感じのものだ。マーカス・ガーヴェイから聞くか他から聞くかと悩んだ場合にはこの作品は結構お勧めできます。ただそんなに派手な演奏とかはまったくないので、ボブ・マーリーしか聞いたことがないというような方には薦められないからご注意を